todojunの人狼ブログ

スリアロ村などの動画配信人狼の分析や、個人の人狼体験記、人狼というゲームの分析などを行う予定です。

スリアロ村第二十六幕(1戦目)レビュー

4月15日(金)に行われたスリアロ村第二十六幕について、感想や分析を書いていきます。動画は以下から。

タイムシフト試聴にはスリアロチャンネルの有料会員登録が必要です。有料会員で無い方は、しばらく経つと、YouTubeスリアロ村過去動画に掲載されるはずなのでご確認ください。

全3戦ありましたが、まずは1戦目のレビューです(動画は18:00くらいからですが、自己紹介も面白かったので、気になる人はもう少し前から見てみてください)。

注意:最初に役職を全て公開した形として書きますので、それでも良い方のみ、以降をお読みください。スリアロ村の1戦目は役職公開ルールなので問題ないと思いますが、念のため。

  

 

役職内訳(敬称略)

人狼:猪飼、白田、芝尾

狂人:田原

占い師:谷

霊媒師:五反地

騎士:大崎

村人:武中弟、ケルヴィン、大浜、松田、児玉、平

 

 1日目

占い師:谷(→田原◯)、猪飼(→芝尾◯)、田原(→ケルヴィン◯)

処刑者:谷

  • 今回は事前に役職を確認してからの視聴だったので、その前提での感想です。
  • 児玉さんの提案。中央にいる児玉さんを境目として左右6人ずつに分けて、右の6人は左の6人に、左の6人は右の6人から1人怪しい人を選び、それぞれから1名ずつ投票先候補を選ぶというもの。
  • 児玉さんは投票対象にならず、左右両側から1人ずつ選ぶことができるという形になりました。スペシャルゲストなので、初日吊り候補にならないという作戦で良いと思います。
  • 結果、複数人から指された人は、猪飼さん:3票、谷さん:2票、ケルヴィンさん:2票、麻矢さん:3票の4人となりました。
  • しばらく議論後、武中弟さんが、逆に0票の4人を吊り候補にするようシフトしてもいいのではないかと提案。武中弟さんは以前の村でも同じ考えを披露していましたね。何らかのこだわりがあるのでしょうか。
  • 個人的には、対面人狼で直観を信じて村の皆で人狼っぽい人を探すために投票したのに、それを無視する形となる0票もらいへのシフトはあまりやりたくない方法ではあります。
  • 少し詳しく説明します。話をわかりやすくするために、児玉さんも含めた村の13人全員が仮投票で怪しい人に指をさすとします。もし直観が全くアテにならないとした場合、村人側と狂人(計10人)は、投票先をランダムに決定するのと実質的に同じなので、選んだ投票先が人狼である確率は、それぞれ3/12となります。
  • つまり、人狼側の獲得票総数の期待値は、10✕3/12=5/2=2.5票となります。1人平均0.8票強
  • 一方、投票先が人間である確率は、それぞれ9/12となり、村人側の獲得票総数の期待値(村人側+狂人投票分)は、10✕9/12=15/2=7.5票、これに人狼3人からの投票が加わった10.5票が村人側+狂人の獲得票総数の期待値となります。1人当たりで1.05票。
  • 厳密に言うと、占い師がお告げで確白情報を知っていてその人を指すことがなくなるので、上記よりも少しだけ狼側に票が入りやすくなりますが、まぁ大体こんな感じです。
  • この差をどうみるかですね。ネット人狼など、人狼を直観で当てる要素が低くなる場合には、この差が大きいので票が少ない方を逆に吊るという作戦もありかもしれません。
  • しかし、対面人狼では、なんだかんだで直観力が当たることも多いので、仮投票での最多得票が人狼であることもかなり多いと、経験上感じています。実際、自分が初日霊媒確定した時に、仮投票の最多得票者を指定吊りで人狼を吊れることが非常に多いし、自分が人狼のときに仮投票が行われると、かなり票を入れられる印象があります。
  • ということで、個人的にはやっぱり仮投票での多数得票者を吊り候補にするということでいいと思いましたが、大崎さんも同じような意見で、実際に多数得票者となった4人のうち、大崎さんが指せる左側の3人が怪しいベスト3だったという発言をしていました。
  • さて、その後、役職は出るなら出よう、ということに。すると、多数得票者のうち、谷さんと猪飼さんが占い師CO。さらに、その他の中から田原さんも占い師CO。この状況は田原さんが一番真を取れそうですね。
  • とはいえ、村全体としては、あまり信用度に差を付けている感じではなく、谷さん目線で、田原さん狂人、猪飼さん人狼が確定したことを共有したくらいでした。
  • 続いて投票時、初っ端から谷さんがすごい暴露を。怪しい人の投票時に、自分の白である田原さんを選んだとのこと。人狼の目を逸らすためということでしたが、これは信用取られづらいですね。
  • 恐らく、人狼に票を入れてしまうと、噛まれてしまうリスクがあるから、ということなのでしょうが、これは相当丁寧に説明しないと、理解を得られにくいはずです。議論時ならまだしも、会話ができない投票時のこの発言は痛かったです。
  • そして、吊り候補に上がっていなかった五反地さんへの投票で、村からは「えー」との声が。個人的には、この驚きの声は意外でした。というのは、今回、どこを投票先にするか、という村の総意がないまま議論時間が終わったと感じていたからです。
  • 吊り候補4人のうち2人が占い師COした時点で、残りの2人から吊るというのもあまり意味がある行為にも見えないし、かといって、占い師吊りの流れにならないのであれば対抗への投票も死に票になってしまうので、グレー投票自体は一理あると思います。
  • ただ、今の論理を説明することなく、サクサクっと投票してしまったのが理解を得られなかった原因かもしれないですね。一つ一つの投票行動に意味付けをして丁寧に説明していくことが大切、ということがよく分かった気がします。
  • さて、この怪しさに付け込んだ人狼陣営の票も当然ながら集まり谷さんが処刑されました。痛いといえば痛いですが、ローラーで初日に処刑されたと思えば村陣営が圧倒的に不利というわけでもないですし、対抗への白打ちで谷さん目線の占い師CO構成が判明したのは情報としては悪くないと思います。
  • ちなみに、児玉さんが「谷さんが人狼ならこんな行動はしないと思う」と言って猪飼さんに投票していましたが、さすがですね。大崎さんも人狼の猪飼さん投票で、TLPT勢がさすがの底力を見せていました。

 

2日目

襲撃者:麻矢

占い師CO:猪飼(→武中弟●)、田原(→五反地●)

霊媒師CO:五反地(→谷◯)

処刑者:田原

  • この日、占い結果と霊媒結果の同時出しを行ったところ、田原さんが霊媒師COの五反地さんを黒出しすることとなり、どちらかの偽が確定。これは1COの五反地さん真で進む流れになってもおかしくないですね。村側にとっては朗報です。
  • そして、もう1人の偽占い師の猪飼さんも村人の武中弟さんを黒出し。偽占い師2人が人間に黒出しするという、すごい構図になりましたね。
  • 武中弟さん「猪飼さんが人狼だった場合、猪飼さんに投票した2人(児玉さんと大崎さん)のどちらかが人狼でも全然おかしくない」と発言していましたが、これはさすがに飛躍した論理ですかね。2人ともまだ猪飼さん吊りの可能性を残した段階での投票だったし、仮にどちらかが人狼だったとしても、今はまだそれを本線で追う段階ではないと思います。
  • 結局2人にたしなめられていましたが、武中弟さんもなかなか頑固型のタイプという気がしました。人狼というゲームは、うまく敵を作らないようにしながら議論を進めていかないといけないのが難しいですよね。
  • さて、霊媒の真贋については、児玉さんが五反地さんを信じていない発言。これは、あえて本心ではないことを言って狼を誘い出すトラップかと思っていたのですが、結構本気で思っていたようです。あまりその説明はしていなかったですが、何でそう思ったのでしょうか。
  • そして、それに乗るように、ケルヴィンさん、白田さん、芝尾さんも麻矢さん霊媒説をかなり推しました。ここにしっかり2人の人狼がいるんですよねー。ここで五反地さん真の流れを作らなかったのは、今後の展開に向けてとても大きかったと思います。
  • ここ、人狼陣営にとってもすごく微妙なさじ加減が必要なところで、乗っかり感が出すぎてしまうと逆に疑われることになるので、疑われないように自然に流れを作る、というバランス感覚が大事ですね。それが成功した例だと思います。
  • 投票では、何だかんだで五反地さん真目を追う人が多いこともあり、田原さんが吊られることに。そんな中、芝尾さんが猪飼さんに投票したのは絶妙なタイミングでした。仮に猪飼さんが吊られて五反地さんから黒が出たとしても、相当吊られにくい位置に潜り込むことができます。
  • そして、児玉さんからは今日一番の名言も飛び出しましたね。「ポンコツイコール人狼じゃないんですよねー人狼ゲームって。ポンコツの本物だっているし、それが全然悪いことじゃなくて、人狼ほどポンコツにならないと思うんですよねー
  • そうです。ポンコツにも色々ありますが、今回の谷さんは、真だとして違和感がある行動だとしても、人狼だとしたらもっと違和感のある行動にも見える。つまり、相対的には真の可能性も十分追える位置だと思うんですよね。
  • これを少し数学的に言うと、絶対的な確率が重要なのではなくて、条件付き確率でみることが大切だということ。「違和感のある行動」を取ったことを前提に、その場合に「人間である可能性」と「人狼である可能性」を比較する。詳細はここでは割愛しますが、人狼AIにおいても、こういう確率的な推定の精度をどれだけ高められるか、というところが実力向上のための一番の要素になるのではないかと思います。
  • 投票結果としては、猪飼さんと1票差の僅差で田原さんが吊られることになりました。

 

 3日目

襲撃者:五反地

占い師CO:猪飼(→児玉◯)

処刑者(決選):猪飼(吊)、大崎

  • 五反地さんが襲撃。実はこれが勝敗を決めたポイントと言ってもいいくらい痛い襲撃でした。
  • 前日、大浜さんと児玉さんが、五反地さんを護衛する必要はない、と言っていたり、五反地さん偽を追っている人が何人かいた(その中には人狼2人もいた!)りしたこともあって、噛まれたら噛まれたで情報になるからということで護衛をしなかったようですが、護衛成功していたら一気に村側が優勢になる可能性があっただけに、かなりの痛手でしたね。
  • 騎士の大崎さん自身は、前日から五反地さんをほぼ真と見ていたようですが、大崎さんをもってしても、村全体の議論の流れを受けて、護衛先をストレートに五反地さんにできなかったというところに人狼の難しさがありますね。
  • ちなみに、五反地さんを護衛できた場合、騎士COすれば五反地さんの真が確定し、五反地さんの田原さん白判定で猪飼さん人狼が確定します。そうすると、猪飼さんに黒出しされた武中弟さんと、猪飼さんをずっと疑っていた児玉さんが白くなります。これは狼側にとってはきついですね。
  • また、騎士視点からみた場合、仮にこの状況で五反地さんが田原さんに黒判定を出せば、谷さんが破綻して狂人、猪飼さん真が確定したうえに、次の日の真占い師護衛も可能となる状況だったので、五反地さん護衛は十分と言っても良すぎるくらいメリットがある状況ではありました。
  • まぁ噛まれてしまった現実を悔やんでいても仕方がないので前向きに考えるしかないですね。まず谷さんが人間確定、そして田原さんが偽物確定です。残った猪飼さんは、谷さんが真の場合は人狼、谷さんが狂人の場合は真となります。
  • 吊り候補としては、スリアロ村恒例の安定進行であれば猪飼さん吊りになりますが、吊り回数に余裕があるということで、児玉さんの提案により、猪飼さんが選んだ吊り候補の大崎さんとの2人からの選択のような形になりました。
  • しかし、ここで大崎さんが選ばれたのはかなり不自然でしたね。猪飼さんが真なのだとしたら、確定人狼の武中弟さんを吊り候補にして、大崎さんは次の日占えば良かったはずです。
  • そして、そもそも猪飼さんが対抗の吊り候補を選んだのは、村の安定進行という点ではあまり良くなかったかと思います。猪飼さんが偽物だった場合には狼なので、選んだ吊り候補はほぼ確実に人間になるからです。
  • つまり、猪飼さん陣営と、対抗陣営での投票対決となり、ほぼ決め打ちに近い形になるということです。ここは、猪飼さんを残す代わりに、猪飼さんが狼だった場合に同じく狼になりうる人を村全体で選んで吊り候補にする(もしくは猪飼さんが真でも偽でも狼の可能性がありうるグレー位置を吊り候補にする)のが妥当な選択ではなかったかと思います。
  • さて、投票では、猪飼さんと大崎さんの票が接戦となり、4対4の状況の中、最後の投票者だった人狼の芝尾さんが猪飼さんを身内切りしました!この勇気は素晴らしかったです。これによって、武中弟さん、児玉さん、大崎さん目線で、相当白くなったのではないかと思います。
  • 自分の票で確実に人間を処刑できることがわかっている状況で、人狼を身内切りするというのは、その有効性がわかっていてもなかなかできないものだと思います。

 

4日目

襲撃者:児玉

処刑者:武中弟

  • 昨日の猪飼さん処刑で、占い師CO者と霊媒師CO者が全滅したので、後は今までの投票履歴や占い結果を元に推理していくしかありません。
  • 状況を整理すると、村に7人で2人狼。真占い師は猪飼さんか谷さんのどちらか。真霊媒師は五反地さん。猪飼さんが真であれば武中弟さんが人狼で芝尾さんが人間。谷さんが真であれば武中弟さんと大崎さんがほぼ人間です。
  • 武中弟さんは断然白田さん人狼推しでしたが、思ったよりも猪飼さん真目で見ていた人が多かったようで、武中弟さんが処刑となりました。
  • 芝尾さん、さすがに白田さんをここで吊られたら厳しいと思ったのか、武中弟さんに投票をシフトしましたが、ここはかなり難しい判断でしたね。身内切りの効果をやや落としますが、背に腹は代えられないということでしょうか。

 

5日目

襲撃者:ケルヴィン

騎士CO:大崎

処刑者:白田

  • 大崎さんが議論の最初で騎士CO。2日前に吊られかかった状況でCOせずに生き残り、今日の騎士COに結びつけたのは良かったですね。
  • もちろん、戦略的には、2日前に騎士COをするのもアリで、なぜなら、大崎さんが噛まれることは猪飼さんの真目を下げることになるので、狼側も噛みづらいからです。
  • ただ、騎士の心理として、なるべく騎士COしないで生き残り、護衛を成功させて村に貢献してからCOしたい、という気持ちになるのは、経験的にもよくわかります。この辺りのバランスの取りどころは難しいですね。
  • この日に騎士COするデメリットは、村5人で最悪2人狼なので、2人狼の場合、人狼が騎士騙りしやすく(吊り回避できれば勝利が大きく近づくので)、騎士COの信用度が少し落ちることです。
  • ただ、今回の場合、前日に処刑されたのが、大崎さんと同陣営にみえた、谷さん真ラインの武中弟さんだったことから、大崎さんが狼だとしたら1人狼が濃厚な状況でした。となると、やっぱり大崎さんは真寄りと見ていい状況だったのではないでしょうか。
  • そして、昨日は猪飼さん真視点での人狼を吊ったのだから、今日は谷さん真視点での人狼を吊るのが妥当であり、占われてないので確定していないものの、谷さん真ラインから圧倒的に疑われていた白田さん吊りとするのは合理的な選択だったと思います。
  • まぁ村の議論ではあまりこの辺りの言及はなかったので、結果として正しい選択になった、ということではありますが。

 

6日目

襲撃者:大崎

処刑者:大浜

  • 3人までもつれる熱い展開になりました。
  • 占い情報としては、猪飼さんが芝尾さんに白出ししている情報しかなかったですが、大浜さんが芝尾さんをターゲットしたことにより、この2人の決選の構図に。
  • そして、大浜さんのパッションが強い!これは芝尾さん劣勢か、と思ったら、大浜さんの大崎さんを守った発言を受けて、芝尾さんは自分の方こそ対抗の猪飼さんに決定票を入れた、それを見落としている大浜さんは説得力がない、と強いパッションで対抗!
  • 大浜さんも唐突なこのパッションにたじろいだのか、正面からぶつかるのを避ける感じも見えました。これは平さんの立場からしたら選ぶのが難しすぎですね。
  • 芝尾さんは、私たちは何で平さんが人狼の可能性を追わないんだろう、と疑問を呈す良い演技も見せ、大浜さんは一瞬それに乗っかりそうになりつつも、やっぱり芝尾さんの方を人狼だと思う、と良い決断力を見せました。
  • この辺りの攻防はとても見応えがありました。最終的に、平さんは大浜さんに投票しましたが、これはもう紙一重の世界だったのではないかと思います。

 

全体の感想

  • 至るところに見応えがある面白いゲームでした。
  • 前半はTLPT勢の児玉さんと大崎さんがさすがの洞察力で、谷さんを真占い師と読む正しい推理をしていたのが印象に残りました。児玉さんの名言はスリアロ村史上に残りますね。
  • 芝尾さんの猪飼さんへの決定票での身内切りは見ていて感動しました。霊媒が死んでいて猪飼さんの真偽がわからない以上、この身内切りが結果的に正解だったかどうかはわからないですが、その勇気を讃えたいです。強くなるためにはこういう思い切りの良さも大事ですよね。
  • 最終日のパッション対決もとても見応えがあり面白かったです。ずーっとロジカル優位に議論を進めてきて、最後に熱いパッションを見せる!この流れが何ともいえず爽快でした。
  • スポーツでも、最後の最後は気持ちのぶつかり合いになってそれがカタルシスとなって感動を生むという面があると思うのですが、人狼ゲームにもこういうスポーツ的な要素があるのだということを実感しました。