todojunの人狼ブログ

スリアロ村などの動画配信人狼の分析や、個人の人狼体験記、人狼というゲームの分析などを行う予定です。

関西練習村 第1回(2戦目)レビュー

3月3日(木)に行われた関西練習村(第1回)について、簡単な感想や分析を書いていきます。この関西練習村は、関西の麻雀プロによる人狼で、イメージとしてはスリアロ村の関西版のようです。動画はこちら(タイムシフト期限が切れたため、下記ページから動画は見れなくなりました。YouTube配信の方をご覧ください)。

全4戦ありましたが、続いて2戦目です(動画は1:04:00くらいから→YouTubeでは51:00辺りからです)。

注意:最初に役職を全て公開した形として書きますので、それでも良い方のみ、以降をお読みください。

 

 

役職内訳(敬称略)

人狼:鳥井、田村

裏切者:涼宮

占い師:足立

霊媒師:清水

騎士:可南

村人:麻生、高原、津田、田内、今村

 

 1日目

占い師CO:足立(→田内○)、涼宮(→鳥井○)

役職CO:可南

処刑者(決選):高原(吊)、可南

  • 2戦目からレギュレーションが変わり、11人村で2人狼、1裏切者。単純に人狼が1人減ったため、いわゆる5吊り3人外となりました。連続ガードありなので、やや村有利のレギュレーションですかね。
  • 今回は占い師候補が2人COしました。練習村初めての騙りですね。第1印象では涼宮さんにやや迷いというか硬さが感じられたので、6:4あるいは7:3くらいで足立さん真目に見ていました。
  • 足立さんからは「本物の裏切者なんです」と発言ミスがありましたが、まぁ本物の占い師だとしてもそういうミスもありうるかな、と。裏切者だったらこんな不用意な発言はしないよう細心の注意は払っていると思いますし、この発言が真贋の判断に影響を与えるとは思いませんでした。
  • むしろ、足立さんのパッションというか、ニコニコ感がやや真目寄りに見えました。騙り側は相当訓練を積んでいないと、本物とのパッションの差が出てしまうのが辛いところです。
  • ちなみに、僕が村人としてこの村にいた場合、上記ロジックを説明したうえで、6:4または7:3で足立さん真目に見ている、と発言したと思います。この判断が正しいにせよ、誤っているにせよ、この発言による反応から有益な情報が得られると思うからです。
  • まぁ今回の場合は、占い師に裏切者が出ている可能性が高く、人狼側にも占い師の正確な真贋が付いてない 可能性が高いので、この意見への同調や否定が即ラインを明確にするわけではないですが、村人として自分が素直に考えていることを述べる事自体は、その発言者自身が村か人狼かの判断に使えるため、村陣営にとって有益だと思います。
  • さて、話し合いとしては、霊媒師を出すかどうかが論点になりましたが、結局出さずに進めることに。霊媒師を出さないメリットは、騎士のガード先を拡散させないようにする、ということですが、この村は連続ガードありの村なので、わかりやすく霊媒師を出して安定護衛でも良かったかと思います。
  • まず、この場面で人狼側も占い師候補を噛みづらいということ。真贋が付いていなければ、間違えて裏切者を噛んでしまうリスクがあるし、今回のように真贋が付いていて本物を噛めば、裏切者の白出し先(今回は鳥井さん)が怪しまれることにも繋がる。
  • もちろん初めから占い師候補両噛み前提で噛みにいく(いわゆるベグリ)ことも考えられますが、万が一裏切者を噛んで、本物に狼が黒出しされて安定護衛されたら完敗モードに入ってしまいます。
  • そして、今回は人狼陣営が少なめのため、この場面で霊媒師の対抗は出づらいということ。もし、霊媒師対抗が出た場合には、ローラーすれば7人2人外となり、占い結果からかなり狼候補が絞れることになるので、それはそれで結構おいしいです。
  • ということで、霊媒師を出したい方向で考えていた今村さんの思考はごく自然なもので、特に怪しく感じませんでした。この今村さんに対して霊媒師を炙り出そうとしている可能性があるから投票すると言った麻生さんは、それだけで狼寄りに見えたわけではないですが、陣営をはっきりさせたいという意味で占い先候補とみていました。
  • が、その後、今村さんの反応が村っぽく見えるということで、麻生さんが今村さんに投票しないかも、と発言したことによって、麻生さんが相当村目に見えました。ここまで今村さんを責めていて、その反応からそれを撤回方向に持っていくこの一連の流れは、村側として純粋に推理を進めているように見えました。
  • ということで、発言が多い人で怪しい人がほぼいなくなり、相対的に寡黙な可南さんと田村さんが怪しく見えることになりました。
  • 鳥井さん、このタイミングで可南さんに話を振るのは上手かったですね。村側の思考として、怪しい人が寡黙位置に移りつつあったので、そこに話を振るのはかなり村目に見えました。他にも人狼経験者だなぁ、と感じる場面が何度かあり、今回のメンバーの中では、人狼のレベルが一段上のように見えました。
  • 投票時ですが、麻生さんは今村さんを村目に見つつも、役職リスクはないといことで投票を入れ、同じ理由で高原さんも今村さんに投票しました。これは村側としてはあまり有益な行動ではなかったですね。役職リスクに備えるのであれば、最終的に決選投票にしてCOタイミングを作れば良いのであって、村人を一人犠牲にする必要はないところです。
  • なので、怪しい人を決選投票に上げて、そこでCOが出たときに初めて対抗の素村を吊ることになるのだと思います。ほぼ確白の情報というのは、真占い師に白出しされているのに近い価値を持っているので、吊ってしまうのはすごく勿体無いです。
  • あと、もし霊媒師を出さないで村人を吊るのであれば、霊媒師を出してその村人を吊らない方が村側にとってメリットが大きいです。後者の選択をしなかった以上、それより価値の低い前者の選択はなるべく取りたくないところですね。
  • 結果、この投票も怪しまれたのか、決選投票には寡黙だった可南さんとともに高原さんも挙がりました。可南さんが役職COした以上、高原さん吊りは致し方無いところです。

 

2日目

襲撃者:今村

占い師CO:足立(→清水○)、涼宮(→麻生○)

霊媒師CO:可南(→高原○)→撤回、清水(→高原○)

騎士CO:可南

処刑者:田内

  • 昨日ほぼ村置きされていた今村さんが襲撃。一番村っぽい人を襲撃するというのは、今まで取り上げてきたレビューでも最も多かった初日の襲撃パターンです。
  • 昨日役職COした可南さんが霊媒師CO。対抗が出なかったことから、可南さん真進行で進みそうなところでしたが、その流れを嫌って清水さんが対抗CO。ともに高原さんを白出しです。
  • 清水さん、霊媒師COを躊躇した理由として、COのメリットがほとんどないと思った、と言っていましたが、ここで出ないと偽物に乗っ取られることになるので、むしろ出ないメリットがあまりないところでした。
  • なぜなら、昨日の処刑者である高原さんは素村COしており、また襲撃者である今村さんも言動から素村であることが明らかだったので、霊媒師生存ははっきりしており、対抗が出ない以上、単独CO者を真で進めるのが妥当だからです。
  • この霊媒師対抗COを受けて、可南さんが霊媒師COを撤回して騎士COにスライドしました。これで清水さん霊媒師確定で進めていいことになりました。
  • 可南さんの真贋については判断がなかなか難しいところでした。人狼が吊り回避をして、霊媒師対抗に勝てそうにないのでスライドした、というのも十分考えられるところでしたが、パッション的には真騎士っぽさも感じました。
  • 重要なことは、可南さんがスライドしたことにより、清水さんが霊媒師確定したということで、仮に可南さんが人狼だとしてそんな人狼陣営に不利益なことをするかな、という感覚はありました。少なくとも、今日は処刑候補ではなく、翌日に噛まれるかどうかで判断すればいいということで、村もそういう方向で進みました。
  • そういう基準で進めるのであれば、この日の処刑候補は、完全グレーの津田さんと田村さんの二択とするのが妥当だったと思います。裏切者の占い師が2人の人狼を囲うなどという薄い線を追わないのあれば、この2人のうち最低1人は人狼となるので。
  • ここで麻生さん、可南さん、津田さんが揃って田内さんに投票したのはミスだったのでしょうか。だとしたら、非常に手痛いミスです。
  • 津田さんは完グレでありながら、決定票を片白に入れたので、めちゃくちゃ人狼目が上がりました。これで田内さんが人間だったら、翌日の吊り先は津田さんほぼ一択になります。

 

3日目

襲撃者:可南

占い師CO:足立(→可南○)、涼宮(→津田○)

霊媒師CO:清水(→田内○)

処刑者:足立

  • 可南さんが襲撃されたことにより、可南さんが真騎士確定となりました。こうなると、可南さんが初日に騎士COではなく役職COしたことは、騎士を1日長く生き延びせる結果になったということで、良い仕事をしたということになります。
  • 議論では、清水さんが田内さんを白と言ったことにより、津田さんの人狼目が非常に上がることになりましたが、ここはセオリー通り、確定していない占い師候補から先に結果を聞くべきでしたかね。先に確定情報を言ってしまうと、それを占い騙り結果に利用されてしまうので。
  • 占い結果は、足立さんが騎士COの可南さんを白、涼宮さんが完グレだった津田さんを白出ししました。足立さんの可南さん白出しは、結果的には無駄手にはなりましたが、考え自体はわかるところではあります。
  • それより、清水さん目線で涼宮さんがほぼ破綻したことの方が情報が大きいですね。涼宮さん目線、田村さんの人狼が確定していて、もう1人いるとしたら対抗の足立さんが人狼ですが、裏切者潜伏となりその可能性は追いづらい。一方、清水さん目線、人狼はまだ2匹残っているので、清水さんと涼宮さんがともに真である可能性はほとんどなくなりました。
  • そして、清水さんは上述のようにほぼ真確なので、涼宮さん偽説が非常に有力になります。しかも、涼宮さんの行動は人狼ではなく裏切者の行動です。とりあえず怪しいところに白出しを続けるのが、裏切者としては誤爆のリスクのない安定の進行なので。
  • 涼宮さんがもし本物の占い師だったら、まず田村さんを吊って、それでも終わらなければ足立さんを吊れば村人勝利です、ということが明確に言えるはずです。その発言が出てこないということは、自分自身でも誰が人狼であるか本当のところはわかっていない裏切者ということを言っているようなものですね。
  • ということで、この点を誰かが突っ込めれば展開は変わったかもしれないですが、これを突っ込めそうな鳥井さんが人狼だったことで、その話が出ることなく進んでしまいました。
  • ここから先は迷走でしたね。清水さんが偽物である可能性を追ったり、可南さんが裏切者である可能性を追ったり、もう無理な占い師ローラーの可能性を探ったり、と、まとまりのない議論になってしまいました。
  • まずは、清水さんを真霊媒師としたときの、涼宮さん真目線、足立さん真目線の人狼を追うという本筋を整理して、そこにおかしなところがあった場合に様々な可能性を追っていくようにしていかないと、論点が拡散してしまって厳しいですね。一旦仮説を作って検証をした結果、そこに変なところがあれば仮説を修正していくという、いわゆる科学的な手法は人狼ゲームでも有効だと思っています。
  • 結果として、真占い師の足立さんが処刑されてしまい、翌日PPで終了となりました。最終日は省略します。

 

全体の感想

  • 色々ありましたが、今回は鳥井さんが上手かったです。早い段階で村人寄りに見られ、そこから上手く潜伏しながら村人全体の議論の流れを調整していたと思います。3日目には、清水さん目線で涼宮さんがほぼ破綻していることを認識していたとのことで、それが露呈しないようケアできていたのはさすがですね。
  • 村自体の議論の中にはミスリードも沢山ありましたが、結果的にミスリードになったとしても、自分が考えているところを発言することは人狼ゲームでは非常に大事だと思っているので、全然気にすることは無いと思います。ミスリードした方が沢山反省点も生まれるし、成長するには逆に近道の可能性すらあります。
  • 村として一番困るのは、何も議論をする内容がなく、無為に時間が過ぎていってしまうことなので、自分の意見を述べることは、たとえミスリードが発生しても、それが議論を進めるきっかけにもなりうるので全然ありですね。
  • もちろん、人狼ゲームにおける定跡を多くの人が学んでいくことで、議論の質が上がるのは間違いないので、そういうベースアップも大事だとは思っています。